専門調理師とは、調理師法第8条の3において、調理師の資質の向上のための調理技術に関する学科および実技の「技術審査」が規定されており、それに合格した者を指します。
調理技能士とは、国家資格である技能検定制度の一種で、指定試験機関である公益社団法人調理技術技能センターが実施する調理に関する学科及び実技試験に合格した者を指します。
調理師と専門調理師・調理技能士
調理師から更に技術・技能を向上しステップアップした資格が「専門調理師・調理技能士」であり、調理師より専門調理師・調理技能士が上位の資格という位置づけです。
調理技術技能評価試験
専門調理師は調理師法における技術審査試験、調理技能士は職業能力開発促進法における技能検定試験、これら二つの試験は、試験システムとして一本化されており、その試験名称を「調理技術技能評価試験」と称し、指定機関である公益社団法人調理技術技能センターが実施しています。
この試験に合格することにより、「専門調理師と調理技能士」の資格を取得することができます。
なお、調理技術技能評価試験には以下6つの料理区分があり、その選択として以下を参照して下さい。
・日本料理専門調理師・調理技能士
・麺料理専門調理師・調理技能士
・西洋料理専門調理師・調理技能士
・中国料理専門調理師・調理技能士
・すし料理専門調理師・調理技能士
・給食用特殊料理専門調理師・調理技能士
合格率と難易度
専門調理師・調理技能士の試験(調理技術技能評価試験)の合格率は平均して60%前後で実技70%前後・学科50%前後とされていますが、実技と学科を総合して近年の実績は39.3%から55.8%の合格率であり、難易度は偏差値表示で44です。
年度 | 受験申請 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和4年度 2022年 | 651 | 295 | 45.3% |
令和3年度 2021年 | 740 | 357 | 48.2% |
2020年 | 619 | 243 | 39.3% |
2019年 | 867 | 484 | 55.8% |
2018年 | 934 | 464 | 49.7% |
試験の概要
申し込み 試験日 | ①すし料理、中国料理、給食用特殊料理 申し込み:4月上旬 ~5月中旬 実技試験:7月下旬~8月中旬 学科試験:7月下旬 ②日本料理、西洋料理、麺料理 申し込み:8月中旬~十月上旬 実技試験:1月上旬~2月上旬 学科試験:1月中旬 |
---|---|
受験資格 | ・実務経験による者 8年以上の実務経験かつ 実務経験年数のうち調理師の 免許を有していた期間が3年以上 ・厚生労働大臣の指定する 調理師養成施設において1年以上 調理に関する学科を修めた卒業者 6年以上の実務経験かつ 実務経験年数のうち調理師の 免許を有していた期間が3年以上 ・職業能力開発促進法に基づき、 調理に関し専門課程の 高度職業訓練※2または普通課程の 普通職業訓練※3修了者 6年以上の実務経験かつ 実務経験年数のうち調理師の 免許を有していた期間が3年以上 |
受験料 | 実技試験のみ受験:¥28,900 学科試験のみ受験:¥8,900 実技試験と学科試験を受験:¥37,800 |
試験地 | 以下は令和6年度例 (毎年位の詳細は公式サイト参照) すし: 東京都 中国料理: 仙台市、東京都、大阪市、福岡市 給食用特殊料理: 札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、 大阪市、兵庫県上郡町、福岡市、 鹿児島市 日本料理: 仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、 兵庫県上郡町、福岡市 西洋料理: 東京都、名古屋市、大阪市、福岡市 |
試験内容 | 以下試験は令和6年度の例 毎年の詳細は公式サイト参照 実技試験 すし料理 ・アジ、アナゴなどのすし種の 仕込み及び笹切り作業 ・中巻き作業並びに盛り付け ・にぎりすし作り並びに盛り付け 中国料理 ・姜葱墨魚花 (イカの花切りショウガ風味) 作業並びに盛り付け・青椒牛肉絲 (牛肉とピーマンの細切り炒め) 作業並びに盛り付け・去骨炸鶏 (骨抜きひな鶏のぶつ切り空揚げ) 作業並びに盛り付け 給食用特殊料理 ・小海老のオレンジ酢作業 並びに盛り付け ・白身魚のフリッター作業 並びに盛り付け ・肉団子と野菜の甘酢あんかけ作業 並びに盛り付け 日本料理 ・小鯛の姿造り及び網大根を掛ける 作業並びに盛り付け ・蟹砧巻き及び黄身酢をつくる作業 並びに盛り付け ・あなごの八幡巻き及び平打ち作業 西洋料理 ・舌平目のクッション小海老添え グラタン作業 ・仔羊のソテ ソース・シャスール 作業並びに盛り付け 麺料理 ・こね鉢によるそば又はうどんの 手もみ作業 ・天ぷらそば及び玉子とじうどん作業 学科試験 各料理区分共通問題(40問) ・食品衛生および公衆衛生 ・食品及び栄養 ・関係法規 ・安全衛生 料理区分別専門問題(20問) ・調理一般 ・調理法 ・材料 |
合格基準 | 実技試験 減点法とし、満点の60%以上で合格 学科試験 真偽法により、正答数から誤答数を 差し引いた数が、問題数の50%以上 で合格 |
免除 | 実技試験の免除 過去の調理技術審査・技能検定試験の 実技試験合格者は、合格した 料理区分の実技試験が免除されます。 学科試験の免除 ・過去の調理技術技能評価試験の 学科試験合格者 ・厚生労働省の指定する調理師養成施設 を卒業した者で、技術考査の合格者 ・調理師熟練者(30歳以上の調理師で、 調理に関する実務経験年数が 10年以上の者)で、 厚生労働省健康局長および 職業能力開発局長が定めた講習 (調理師熟練者講習)の修了者 ・長期熟練調理師講習を、 昭和63年までに修了した者 ・厚生労働省健康局長の定めた 調理師指導者研修会、または 調理技術指導員講習の修了者 ・公益社団法人日本調理師会が実施した 調理技術検定の1級もしくは2級の 合格者または一般社団法人 全日本司厨士協会が実施した 技能検定の1級合格者で、 平成5年3月31日までの間に 厚生労働省健康局長および 職業能力開発局長が定めた講習の修了者 ・職業能力開発促進法に基づく、 調理に相当する免許職種に関し、 職業訓練指導員試験の合格者、または 職業訓練指導員免許の保持者 ・調理に相当する専門課程の 高度職業訓練または普通課程の 普通職業訓練に係る訓練科に関し、 的確に行われたと認められる 技能照査の合格者 |
合格発表 | 3月下中および9月下旬 |
主催 問合せ | 公益社団法人 調理技術技能センター 〒103-0012 東京都中央区日本橋堀留町2-8-5 JACCビル5階 電話:03-3667-1867 |
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