米国ボストン市に駐在していました時に、建築デザインで留学されている方々と交流が有りました。
頭の良い彼らに建築デザインのお話を伺い、とても夢のある仕事だと思いました。
当時仕事でボストン市内にある築100年程度のコンドミニアムを扱っていたのですが、その建築物としての魅力を、彼らからのお話しで再認識したからです。
建築デザインですが日本では何はともあれ、建築士の資格は有った方が良いので、志望の方はぜひ合格してください。
建築士とは、総称して、一級建築士、二級建築士及び木造建築士の資格を有して建築物の設計、工事監理等を行う技術者をいいます。国家資格であり、業務独占資格です。
概要、一級建築士試験/二級・木造建築士試験

建築士の種類や将来性、難易度、受験資格と免除制度など
資格種類 :国家資格
属性 :業務独占資格 名称独占資格
将来性 一級 :□□□□□□
将来性 二級・木造 :□□□□□□
難易度 一級 :□□□□□□
難易度 二級・木造 :□□□□□□
年収 一級建築士 :700万円前後
受験資格 一級 :
・大学、短期大学、高等専門学校、専修学校等において指定科目を修めて卒業した者
・二級建築士、建築設備士、その他国土交通大臣が特に認める者
受験資格 二級 :
・大学、短期大学、高等専門学校、高等学校、専修学校、職業訓練校等において、指定科目を修めて卒業した者。
・建築設備士
・その他都道府県知事が特に認める者
・7年以上の実務経験
受験資格 木造 :
・大学、短期大学、高等専門学校で指定科目を修了した場合
・高等学校、中等教育で指定科目を修了し卒業した場合には卒業後実務経験3年以上
・都道府県知事が特に認める者
・建築整備士
免除制度 :
建築士試験の学科試験に合格すると5年間の有効期限が与えられ、その間4回の試験のうち2回の学科試験が免除になる
建築士の試験内容と合格率や偏差値、合格の基準とその条件
合格率 :
一級建築士:10%前後
二級建築士:20%前後
木造建築士:35~40%前後
参考偏差値:
一級建築士:66
二級建築士:56
試験内容 :
一級建築士の試験内容
・学科試験は四肢択一式、科目として①学科I(計画)20問と②学科II(環境・設備)20問、計2時間。③学科III(法規)30問1時間45分、④学科IV(構造)30問と⑤学科V(施工)25問、計2時間45分
・設計図書の作成(課題の事前公表有り)、設計製図×1課題6時間30分
二級建築士の試験内容
・学科試験は五肢択一式、①学科I(建築計画)25問と②学科II(建築法規)25問計3時間、③学科III(建築構造)25問と④学科IV(建築施工)25問計3時間
・設計図書の作成(課題の事前公表有り)、設計製図×1課題5時間
木造建築士の試験内容
・学科試験は五肢択一式、①学科I(建築計画)25問と②学科II(建築法規)25問計3時間、③学科III(建築構造)25問と④学科IV(建築施工)25問計3時間
・設計図書の作成(課題の事前公表有り)、設計製図×1課題5時間
合格基準 :
一級建築士合格基準:学科は125点満点中、90点前後
二級建築士合格基準:学科は100点満点中、60点前後
木造建築士合格基準:学科は100点満点中、60点前後
設計製図の試験は、各資格基準に合わせ、備えるべき「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」を有することを認められたもの
建築士試験の、試験日と申し込み手順
各資格共通して、申し込みは例年4月上旬「インターネットによる受付」のみ、試験日は例年学科7月、設計製図10月
詳細は下記リンク先にて確認してください。
公益財団法人 建築技術教育普及センター
一級建築士試験/二級・木造建築士試験の参考書、過去問題集など

一級建築士試験の参考書、過去問題集など
二級建築士試験の参考書、過去問題集など
木造建築士試験の参考書、過去問題集など
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建築士という職業

architectの語源は古代ギリシャ語の大(主)+建築者+技術。
このイメージはレオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)を僕は想像していたのですが
日本語の「親方」がこの単語のコアの語源だそうです。ちなみに同じ語源を持つ単語はarchangel(大天使)。
僕は仕事柄、日本では親方さん達とは現場でお話しすることが多かったのですが
年配の一級建築士に「こんにちは、親方!」と言うと、「おー!」と満足そうな顔を返され、
若い一級建築士に「こんにちは、親方!」と言うと、「あっ、どうも。」と苦笑いを返されます。
だから親方と言えば、あの年配のオヤジたちのイメージなのですが、
それにしても語源といえど、親方が大天使と同じだなんて。。あのオヤジたちと大天使のイメージを重ねるのは無理があります。
ボストンに駐在していた時はnewbury streetにオフィスがありました。駐在初日にその建築物、街並みの美しさに深く感心したのを思い出します。
この道は景観保全地区に指定されていてサンタクロースの通り道、暖炉に繋がる煙突も建物に残されていました。
100年以上前のこの道の絵が、今の街並みと同じなんです。違うことはひとつだけ、絵には馬車鉄が走っていました。
ボストン大学、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)など数多くの教育が集まるこの街に、日本人の建築士の皆さんが留学や研究で集まる理由も、お話を伺いよくわかりました。
普通にその辺にいる人々がMr./ Mrs./ MissじゃなくてDr.なんです。「犬も歩けば博士にあたる」というかんじです。
建築士の道は究めれば、科学者でもあり芸術家です。
しかし欧米と違い、日本の自然は建築士にとって厳しいものがあります。
銀座煉瓦街のように、美しかったけれども大震災で瓦解してしまえば、後世に残すことはできません。
日本の建築士は施主との契約予算の制限に加え、年々厳しくなる建築基準もクリアしなければいけません。
建築士としての個性を出すには、日本は厳しい環境ではありますが
『あの先生に是非お願いしたい。』
是非そういわれるような建築士、後世に美しい建物を残す建築士になっていただきたいと思います。