教師として働くためには教員免許状の取得後、採用試験に合格する必要があります。
教員免許を取得する過程として、多くの人は学生時代から教員の道を目指し必要な単位を取るという前提で、短大卒業で「2種免許」、4年制大学卒業で「1種免許」を取得しています。
そして1種免許を基礎として大学院で所定の単位を修得し、修了することで「専修免許」取得する方もおられます。
以上が教員の中で多数派である「普通免許状」所持者です。
しかしすべてが学生時代からの既定路線で教員となったわけではなく、広く一般社会に人材を求める機会として文部科学省が実施している「教員資格認定試験」を経由している人たちがいます。
教員資格認定試験と普通免状
教員資格認定試験
教員資格認定試験とは、短大・大学においての教員養成とは限らず、広く一般社会に人材を求めて、文部科学省が実施している認定試験です。
この合格者は都道府県教育委員会に申請し下記の免許状が授与されます。
・幼稚園教員資格認定試験の合格者は「幼稚園教諭二種免許状」
・小学校教員資格認定試験の合格者は「小学校教諭二種免許状」
・特別支援学校教員資格認定試験の合格者は「特別支援学校自立活動教諭一種免許状」
(聴覚障害教育・肢体不自由教育・視覚障害教育・言語障害教育)
普通免状
普通免許状は、卒業した学校や取得した過程によって専修、一種、二種免許状に分かれています。
2種免許は短期大学卒業相当、1種免許は4年制大学卒業相当、専修免許は大学院卒業相当の資格です。
1種でも2種でも仕事に差はないのですが、当初の年収は二種免許、一種免許、専修免許の順に高くなります。
二種免許より上へのステップアップとしては、一定の実務期間を経た後に大学等において所定の単位を修得し、教育職員検定に合格することで一種免許に変更、そして同様に一種免許保持者が専修免許を取得することもできます。
管理職を希望される方は、一種免許か専修免許が必要です。
専修免許状
大学院での博士課程修了程度の単位を取得し、申請すると免状を授与される
一種免許状
大学卒業程度の単位を取得し、申請すると免状を授与される
二種免許状
短大卒業程度の単位を取得し、申請すると免状を授与される
教員資格認定試験の合格率・倍率と難易度
幼稚園 教員資格認定試験の合格率は14.9%から41.7%、倍率は2.4倍から6.8倍で、難易度は偏差値表示で54です。
幼稚園 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 倍率 |
---|---|---|---|---|
2023年 令和5年 | 36 | 9 | 25.0% | 4.0 |
2022年 令和4年 | 24 | 10 | 41.7% | 2.4 |
2021年 令和3年 | 17 | 7 | 41.2% | 2.4 |
2020年 令和2年 | 24 | 8 | 33.3% | 3.0倍 |
2019年 令和1年 | 82 | 39 | 47.6% | 2.1倍 |
2018年 平成30年 | 98 | 21 | 21.4% | 4.7倍 |
2017年 | 277 | 102 | 36.8% | 2.7倍 |
2016年 | 350 | 89 | 25.4% | 3.9倍 |
2015年 | 557 | 83 | 14.9% | 6.8倍 |
小学校 教員資格認定試験の合格率は13.0%から31.8%倍率は3.1倍から7.7倍で、難易度は偏差値表示で62です。
小学校 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 倍率 |
---|---|---|---|---|
2023年 令和5年 | 869 | 191 | 22.0% | 4.5倍 |
2022年 令和4年 | 782 | 135 | 17.3% | 5.8倍 |
2021年 令和3年 | 799 | 173 | 21.7% | 4.6倍 |
2020年 令和2年 | 742 | 167 | 22.5% | 4.4倍 |
2019年 令和1年 | 780 | 248 | 31.8% | 3.1倍 |
2018年 平成30年 | 849 | 112 | 13.2% | 7.6倍 |
2017年 | 925 | 138 | 14.9% | 6.7倍 |
2016年 | 1,091 | 149 | 13.7% | 7.3倍 |
2015年 | 1,135 | 147 | 13.0% | 7.7倍 |
教員資格認定試験の概要
試験地 | ・幼稚園教員 東京近郊 ・小学校教員 第1次試験:東京近郊、大阪近郊 第2次試験:茨城県 ・特別支援学校教員 東京都 |
申し込み 試験日程 | 申し込み 4月下旬 ~ 5月中旬 幼稚園・小学校の1次試験 7月下旬 小学校の2次試験11月下旬 特別支援10月上旬 注意)上記は2022年の例 要、公式サイト確認 |
受験資格 | ・幼稚園教員 高等学校を卒業者、その他大学や 短期大学に入学する資格を有する 20歳以上で、保育士 (国家戦略特別区域限定保育士を含む) となる資格を有した後、3年以上勤務した者 (勤務時間の合計が 4,320 時間以上) ・小学校教員 高等学校を卒業した者、その他大学や 短期大学に入学する資格を有する 20歳以上の者 ・特別支援学校教員 次のいずれかに該当する者 大学(短期大学を除く)を卒業した者 高等学校を卒業した者、その他大学や 短期大学に入学する資格を有する 22歳以上の者 高等学校卒業程度認定試験規則附則 第4条表の上欄各号に掲げる者 |
受験料 | 幼稚園教員 20,000円 小学校教員 25,000円 特別支援学校教員資 15,000円 |
試験内容 | 幼稚園教員資格認定試験 教科及び教職に関る科目(Ⅰ) 筆記試験:マークシート択一式 教育職員免許法施行規則第2条に定める 幼稚園教諭免許状取得に必要な 専門的事項のうち,教育原理,教育法規, 教育心理,特別支援教育等に関する内容 〔幼稚園教員養成機関における 授業科目名称の例〕 教職概論,幼児教育教師論,教育行財政, 幼児教育学,幼児教育心理学,教育制度論, 教育行政学,教育社会学,教育経営論等 教科及び教職に関する科目(Ⅱ) マークシート択一式とする。 教育職員免許法施行規則第2条に定める 幼稚園教諭免許状取得に必要な専門的事項 のうち,保育内容の指導法,教育課程, 教育方法,幼児理解,教育相談等に 関する内容 〔幼稚園教員養成機関における 授業科目名称の例〕 教育課程論,教育内容論,学習指導論, 教育方法・技術論,保育内容指導法, 幼児理解,教育相談等 幼稚園教育の実践に関する科目 筆記試験(論述式) 幼稚園教育要領,幼稚園教育要領解説, 文部科学省作成の指導資料等及び, 共通課題を基にした指導案(週案,日案)の 作成に関する内容 小学校教員資格認定試験 教科及び教職に関する科目(Ⅰ) 筆記試験:マークシート択一式 教職専門科目に関する内容 教育職員免許法施行規則第3条第1項表 における「教育の基礎的理解に関する科目」 及び「道徳,総合的な学習の時間等の 指導法及び生徒指導,教育相談等に 関する科目」に関する専門的事項 教科及び教職に関する科目(Ⅱ) 筆記試験:マークシート択一式 小学校の各教科の具体的な授業場面を 想定した指導法及びこれに付随する 基礎的な教科内容 国語,社会,算数,理科,生活, 音楽,図画工作,家庭,体育, 外国語(英語)の 10 教科の中から 6教科を選択して受験する。 なお,6教科には「音楽」,「図画工作」, 「体育」のうち2教科以上を含めること。 教科及び教職に関する科目(Ⅲ) 筆記試験(論述式) 小学校の各教科の具体的な授業場面を 想定した指導法及びこれに付随する 基礎的な教科内容 国語,社会,算数,理科,生活,音楽, 図画工作,家庭,体育, 外国語(英語)の 10 教科の中から 1教科を選択して受験する。 教科及び教職に関する科目(Ⅳ) 筆記試験(論述式) 教職への理解及び意欲,児童理解, 実践的指導力等,小学校教員として必要な 能力等の全般に関する事項 |
合格基準 | 幼稚園教員 教科及び教職に関する科目(I): 満点の6割以上 教科及び教職に関する科目(II) : 満点の6割以上 幼稚園教育の実践に関する科目: 満点の6割以上 小学校教員 教科及び教職に関する科目(I): 満点の6割以上 教科及び教職に関する科目(II): 選択した6教科の満点合計の6割以上を 合格とする。ただし選択した6教科のうち 1教科でも最低基準(4割)に 満たない場合は不合格とする。 教科及び教職に関する科目(III): 満点の6割以上 教科及び教職に関する科目(IV): A・Bの2段階評価とし、Aを合格とする。 第2次試験: 複数課題に基づく評価基準による総合評価 特別支援学校教員 自立活動に関する科目(II): 満点の6割以上 自立活動に関する科目(III): 満点の6割以上 口述試験: A、Bの2段階評価とし、 Aを合格、Bを不合格とする。 |
免除科目 | ・幼稚園教員 教科及び教職に関する科目(I)、 教科及び教職に関する科目(II)について 科目合格の場合:翌年、翌々年の試験 まで免除 幼稚園教育の実践に関する科目について 教員免許状を有する者 (養護教諭及び栄養教諭免許状は除く) 科目合格の場合:翌年の試験まで免除 特別支援学校教員 下記のいずれかの免除事由に該当する者は 該当科目が免除となります 教職に関する専門的事項に関する 科目について ア. 幼稚園、小学校、中学校又は 高等学校の教諭の普通免許状 (二種免許状及び養護教諭並びに 栄養教諭を除く)を有する者 イ. 特別支援学校 (旧盲学校、旧聾ろう学校、旧養護学校) 自立活動教諭の普通免許状を有する者 ウ. 第1次試験に合格した者 (次年度より5年間) 自立活動に関する科目(I)について ア. 特別支援学校自立活動教諭の 普通免許状を有する者 イ. 前年度、前々年度の特別支援学校教員 資格認定試験の第1次試験に合格した者 (ただし、前々年度の特別支援学校教員 資格認定試験の第1次試験に合格した者 のうち,前年度に本科目を免除されて 他の実施種目を受験している者を除く。) 自立活動(聴覚障害教育)の種目に係る 自立活動に関する科目(III)について ア. 言語聴覚士の免許を受けている者 イ. 言語聴覚士国家試験の受験資格を 有する者 自立活動(肢体不自由教育)の種目に係る 自立活動に関する科目(III)について ア. 理学療法士の免許を受けている者 イ. 理学療法士国家試験の受験資格を 有する者 ウ. 作業療法士の免許を受けている者 エ. 作業療法士国家試験の受験資格を 有する者 口述試験 教員免許状 (普通免許状、特別免許状、臨時免許状) を有する者 |
主催 | 独立行政法人 教職員支援機構 次世代教育推進センター 調査企画課 試験企画室 資格認定試験係 〒305-0802 茨城県つくば市立原3番地 TEL 03-4212-8455 文部科学省 総合教育政策局教育人材政策課 〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2 TEL 03-5253-4111 |
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