無人航空機操縦者技能証明とは、所轄は国土交通省でありドローン・ラジコン機等を飛行させるのに必要な技能・知識および能力を有することを証明する資格制度です。
一般的に「無人航空機操縦士免許」や「ドローン操縦士免許」などと呼称されています。
技能証明(免許)は、目的とする飛行の立入管理措置の有無によって一等と二等に分けられています。
試験に合格し技能証明を受けたものは、特定飛行をする際には技能証明書を携帯する必要があります。
技能証明(免許)の種類
無人航空機操縦者技能証明の種類として、
- 回転翼航空機(マルチコプター)
- 回転翼航空機(ヘリコプター)
- 飛行機
以上の3種の技能証明それぞれに、カテゴリーⅢ飛行が可能な一等と、カテゴリーⅡ飛行が可能な二等のレベル区分に分かれています。
- 一等無人航空機操縦士(カテゴリーIII飛行に必要な技能)
- 二等無人航空機操縦士(カテゴリーII飛行に必要な技能)
尚、カテゴリーⅠ飛行とカテゴリーⅡA飛行については技能証明は必須になっていません。
学科試験についてはCBT方式(Computer Based Testing)を採用しており、これは(紙ではなく)コンピュータモニターに表示される問題を解答する方式で実施する試験です。
実地試験の実施は、国土交通省の指定試験機関である、一般財団法人日本海事協会により実施されており、その試験は通称ですが「無人航空機操縦士試験」、「ドローン操縦士試験」などと呼称されています。
無人航空操縦士免許は必要か?
無人航空機操縦者技能証明書の取得は、全ての無人航空機の飛行において必須というわけではではありません。
技能証明書(免許)が必要となる飛行は、国土交通省の「飛行カテゴリー決定のフロー図」も参考として確認して下さい。
カテゴリーⅢ | 特定飛行のうち、無人航空機の 飛行経路下において立入管理措置を 講じないで行う飛行。 (=第三者の上空で特定飛行を行う) |
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カテゴリーⅡ | 特定飛行のうち、無人航空機の 飛行経路下において立入管理措置を 講じたうえで行う飛行。 (=第三者の上空を飛行しない) |
カテゴリーⅠ | 特定飛行に該当しない飛行。 航空法上の飛行許可 承認手続きは不要。 |
※立入管理措置とは、無人航空機の飛行経路下において、第三者(無人航空機を飛行させる者及びこれを補助する者以外の者)の立入りを制限することを指します。
※機体認証及び操縦者技能証明の取得により、カテゴリーⅡ飛行のうち一部の飛行許可・承認手続が不要になる場合があります。
詳細は上記リンク先の国土交通省HP「飛行カテゴリー決定のフロー図」です。
率と難易度
以下の説明で実技試験に関しては、指定試験機関(試験場で一発試験)によるものではなく、登録講習機関(教習所)を卒業して、実地試験の免除を目的とする合格率および難易度とします。
無人航空機操縦士実地試験に関し、知識や実技レベルが合格の域に達していないので、日本海事協会(国土交通省指定の試験場)による実地試験を希望しないというケースは多くあります。
その場合には別の方法として、登録講習機関(国土交通省が指定する民間機関)いわゆる教習所ですが、そこにおいて無人航空機の操縦に係る必要なカリキュラムで講習を受講し、その講習の修了試験に合格することにより、実地試験が免除されます。
登録講習機関においての実技試験(卒業試験)のイメージとしては、自動車教習所とほぼ同じで、受講者が教習を途中断念しないという前提で100%近い合格率を目指すという難易度です。
登録講習機関の一覧は下記します。
学科試験CBTは多くの受験者が1回で合格できる程度の合格率と難易度ですが、仮に不合格であっても、その翌日より試験予約ができますので、複数回前提で考えれば100%近い合格率の難易度になります。
有効期限と更新
技能証明の有効期間は3年間です。更新には、身体適正に関する基準を満たすことが確認され、登録更新講習機関が実施する最新の知識・能力に関する無人航空機更新講習を修了することが必要です。
技能証明書の有効期限は3年であり、登録更新講習機関にて無人航空機更新講習を修了いて再交付申請をすることによって更新となります。DIPS2.0を参照。
指定試験機関
国土交通省が⺠間事業者の「⼀般財団法⼈ ⽇本海事協会」を「指定試験機関」として指定し無⼈航空機技能証明の試験を実施しています。
登録講習機関
「この制度は、無人航空機操縦者技能証明書を取得しようとする方々に対し、無人航空機の飛行に必要な知識及び能力の付与するため、国が定める施設及び設備、講師等に係る要件を満たした民間事業者を登録講習機関として登録する制度です。」という記述が国土交通省のHPにありますが、この登録講習機関(教習所)において、この講習を受講し修了試験に合格することにより、実地試験が免除されます。
その後に指定試験機関(試験場)に行き学科試験及び身体検査に合格すると、無人航空機操縦者技能証明(免許)申請ができ発行されます。
この登録講習機関の一覧、国土交通省リンク先ページ青色の3番からリンクされており、ExcelファイルでDLできます。
情報は常にアップデートされますので、ここから直リンクではなく国土交通省HPを経由してください。
技能証明取得の手順
技能証明書の取得には、以下2つの⽅法があります。
指定試験機関のみで取得の方法
「指定試験機関」で①学科試験 ②実地試験 ③⾝体検査を受験
イメージとしては試験場で①②③全てを一発試験。
①学科試験に合格しなければ②実地試験に進めません。
実地試験の免除の方法
「登録講習機関」で学科講習・実地講習・修了試験に合格すると実地試験が免除になるので、その後の「指定試験期間」において①学科試験、③⾝体検査のみを受ける。(②実地試験は免除される。
教習所の卒業で実地試験の免除の証明書がもらえるというイメージです。
試験の概要
申し込み 試験日程 | 学科試験申し込み:随時 学科試験日:CBT随時実施 |
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試験地 | 学科試験 全国のCBT試験会場 実地試験 集合試験方式と出張試験方式で異なる。 ※集合試験会場候補地 北海道、福島県、埼玉県、千葉県、 山梨県、愛知県、京都府、広島県、 愛媛県、福岡県 身体検査 書類受検または会場受験 ※会場受験候補地 北海道、福島県、埼玉県、千葉県、 山梨県、愛知県、京都府、広島県、 愛媛県、福岡県 試験日程・会場一覧 (実地試験・身体検査) |
受験資格 | 学科試験 16歳以上であること。 航空法の規定により国土交通省 から本試験の受験が停止されて いないこと 実地試験 学科試験の合格者 要、学科試験合格証明番号 |
試験内容 | 事前準備 学科試験を予約するには、 ①国土交通省が運営管理する ドローン情報基盤システム(DIPS2.0) にて技能証明申請者番号を取得の上、 ②指定試験機関が運営管理する 「試験申込システム」において アカウント登録を完了する事。 学科試験 (CBT方式) 一等は三肢択一式 70問:75分 二等は三肢択一式 50問:30分 国土交通省 無人航空機の飛行の安全に関する教則 に準拠 ・無人航空機に関する規則 ・無人航空機のシステム ・無人航空機の操縦者及び運航体制 ・運航上のリスク管理 実地試験 机上試験、口述試験、実技試験で構成。 機体の種類および限定の内容ごとに 試験を実施 ◇回転翼航空機(マルチローター) ・基本(昼間、目視内、 最大離陸重量25kg未満)、 夜間飛行、目視外飛行 原則として集合試験方式で試験を開催 ・最大離陸重量25kg以上 原則として出張試験方式で試験を開催 ◇回転翼航空機(ヘリコプター) 原則として出張試験方式で試験を開催 ◇飛行機 原則として出張試験方式で試験を開催 身体検査 書類での受検または会場での受検 ①有効な公的証明書の提出 ②医療機関の診断書の提出 ③指定試験機関の身体検査受検 のいずれかの方法で受検ができます。 ただし、最大離陸重量25kg未満の 限定を変更する 一等無人航空機操縦士試験を受験 する場合の身体検査の方法は、 ②の医療機関の診断書の提出のみ。 書類での受検 受験者が以下のいずれかの書類を 提出することで書面にて身体検査を 受検する方法。 ・自動車運転免許証 (自動二輪免許、小型特殊免許及び 原付免許を除く。) ・指定航空身体検査医による 航空航空身体検査証明書 ・無人航空機操縦者技能証明書 ・医師の診断書(指定の様式あり) 会場での受検 指定試験機関が準備する会場で 直接身体検査を受ける方法です。 視力、色覚、聴力、運動能力等 について身体基準を満たしているか 確認を行います。 なお、身体基準に満たない場合で あっても、眼鏡、補聴器等の 矯正器具を用いることまたは機体に 特殊な設備・機能を設けること等に より、飛行の安全が確保されると 認められる場合には、条件を付す ことにより技能証明の付与が可能と なる場合があります。 |
合格基準 難易度 | 学科試験の合格基準 一等:正答率90%前後 二等:正答率80%前後 実地試験の合格基準 一等: 100点の持ち点からの減点式採点法 各試験科目終了時に、80点以上の 持ち点を確保した受験者 二等: 100点の持ち点からの減点式採点法 各試験科目終了時に、70点以上の 持ち点を確保した受験者 身体検査 視力が両眼で0.7以上、かつ、一眼で それぞれ0.3以上であること、 または一眼の視力が0.3に満たない者 もしくは一眼が見えない者には、 他眼の視野が左右150度以上で、 視力が0.7以上であること。 色覚 赤色、青色及び黄色の識別ができること 聴力 後方2メートルの距離から発せられた 通常の強さの会話の音声が正しく 聞き取れること。 一般 1.施行規則第236条の62第4項 第1号または第2号にあげる身体の障害が 無いこと。 2.1.に定めるもののほか、無人航空機 の安全な飛行に必要な認知、または 操作のいずれかに係る能力を欠くことと なる四股または体幹の障害があるが、 法第132条の44の規定による条件を 付すことにより、無人航空機の安全な 飛行に支障をおよぼす恐れがないと 認められること。 |
受験料 | 以下「指定試験機関」での金額 学科試験 一等学科試験:9,900円 二等学科試験:8,800円 実地試験 ◇回転翼(マルチローター) 一等 基本 (昼間・目視内・25kg未満) :22,200円 限定変更:20,800円 二等 基本 (昼間・目視内・25kg未満) :20,400円 限定変更:19,800円 ◇回転翼(ヘリコプター) 一等 基本 (昼間・目視内・25kg未満) :22,600円 限定変更:21,200円 二等 基本 (昼間・目視内・25kg未満) :20,900円 限定変更:20,300円 ◇飛行機 一等 基本 (昼間・目視内・25kg未満) :23,800円 限定変更:22,400円 二等 基本 (昼間・目視内・25kg未満) :21,500円、 限定変更:20,900円 身体検査 書類での受検:5,200円 会場での受検:19,900円 |
免除 | 実地試験の免除(一等、二等) 登録講習機関による講習の受講と 修了試験の合格で、 実地試験が免除されます。 (登録講習機関発行の修了証明書 を提出する。) |
合格発表 | 学科試験は8営業日を目途 |
主催 問合せ | 国土交通省 航空局安全部無人航空機安全課 〒100−8918 東京都千代田区霞が関2-1-3 電話 050-5445-4451 指定試験機関 一般財団法人 日本海事協会 〒102-8567 東京都千代田区紀尾井町4-7 電話 050-6861-9700 |
学科試験
学科試験の種類
学科試験は次に掲げる資格の区分ごとに実施され、無人航空機の種類や飛行の方法等の限定にはよりません。
①一等学科試験:一等無人航空機操縦士の資格についての技能証明に係る学科試験
②二等学科試験:二等無人航空機操縦士の資格についての技能証明に係る学科試験
学科試験の出題範囲
国土交通省航空局が発行する「無人航空機の飛行の安全に関する教則」に準拠する内容で、詳細な出題範囲は、無人航空機操縦士試験案内サイトを確認ください。
CBT学科試験の詳細
申込み前の 注意事項 | 学科試験を予約するには、事前に ① 国土交通省が運営管理する ドローン情報基盤システム(DIPS) を通じて、技能証明申請書を提出し、 本人確認を受け 技能証明申請者番号を取得の上、 ② 指定試験機関 (一般財団法人日本海事協会)が 運営管理する 無人航空機操縦士試験申込システム において、アカウント登録を完了。 |
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一等 学科試験 | 無人航空機操縦士試験 一等学科試験 試験番号:D20-L10J 試験時間:75分 問題数:70問 出題形式:三肢択一式 |
二等 学科試験 | 無人航空機操縦士試験 二等学科試験 試験番号:D20-L20J 試験時間:30分 問題数:50問 出題形式:三肢択一式 |
受験資格 | 上記の表 |
受験料金 (非課税) | 一等学科試験:9,900円 二等学科試験:8,800円 |
支払方法 | クレジットカード コンビニエンスストア払い Pay-easy払い |
試験期間 | すべての曜日で実施 ※祝日および年末年始休業を除く |
予約受付 | 予約は最短で受験希望日の 3営業日前まで 土日受験の場合は4営業日前まで 可能です。 申込日を1日目として最長60日先まで 受験希望日として選択可能です。 既に本試験を予約している場合には、 予約した受験日の翌日以降でないと 同一の試験の新たな予約はできません。 ※土日・祝日・年末年始休業を除く |
予約の変更 キャンセル | 試験日の3営業日前 (試験日が土日の場合は4営業日前) まで可能です。 返金手数料あり |
当受験手順 CBT体験版 | 受験前にCBTを体験できます。 当日の受験手順/CBT体験版 CBTによる試験の基本的な流れを紹介 |
試験予約 | オンラインにてお申し込みできます。 予約の手順は以下のページを参照。 ※スマートフォン・タブレットでは 正常に動作しない場合あり。 パソコン(Windows)を使用。 オンラインによる試験予約 ※毎週木曜日の18:30~22:00は、 システムメンテナンス |
特別な 受験環境 | [特別な受験環境を必要とされる予約 |
注意事項 | 試験開始の15分前(集合時間)まで 受付集合 試験日当日に所定の本人確認書類の 提示が必要になります。 |
合格発表 | 合格した場合 本試験を受験した日から8営業日を 目途に登録されたメールアドレス宛に 送付されます。 当該通知を受け取った後、 指定試験機関の申込システムの マイページにログインすることで 学科試験合格証明番号を確認でき、 指定試験機関の実地試験を申し込む ことができます。 不合格の場合 本試験に合格しなかった場合には、 試験終了時の画面及び スコアレポートに「不合格」と表示。 受験回数の制限はありませんどで 再度受験される方は、 受験日の翌日以降に予約ができます。 プロメトリックのマイページより 予約及び支払いを実施して、 受験してください。 |
問合せ 主催者 | 試験会場、試験の予約、 受験料の支払い、試験当日の 手続き等に関するお問い合わせ お問い合わせ先: プロメトリックCBTページ カスタマーサービスに メールによる問い合わせ 問い合わせフォームはこちら 電話によるお問い合わせ 03-6204-9830 電話受付時間:9:00~18:00 (年末年始休業を除く平日のみ) 無人航空機操縦士試験の問い合わせ 主催者の問い合わせ先: 一般財団法人日本海事協会 ・電話によるお問い合わせ 050-6861-9700 電話受付時間:9:00-17:00 (年末年始休業を除く平日のみ) |
テキスト・参考書・ドローン
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Rakuten:
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無人航空機操縦者技能証明
ドローン操縦士免許 完全合格テキスト: 学科試験+実地試験対応
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2022年12月より国家資格(「無人航空機操縦者技能証明」)となったドローン操縦ライセンス取得の本邦初の対策書です。
学科試験に関しては、操縦士に求められる知識として国交省より公表されている教則の内容を各単元ごとに解説するとともに、それぞれの単元で実際の試験を意識したチェックテスト(三択択一式)を設け、合格の参考となるような内容でまとめています。
実地試験については、公表されている実地試験実施基準に沿い、実技試験、机上試験、口述試験のあらましを解説し、受験者の理解を助ける内容となっています。
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