細胞検査士とは、細胞病理検査を専門として、癌細胞または癌細胞と紛らわしい細胞などの存在を顕微鏡等で発見することを主な業務とする、日本臨床細胞学会と日本臨床病理学会の認定資格であり、国家資格ではありません。
受験資格
細胞検査士になるには、日本臨床細胞学会が主催する認定試験に合格することが条件です。
その細胞検査士になる試験に至る「受験資格」として3種のルートがあり、①臨床検査技師あるいは衛生検査技師の資格を得たうえで細胞診業務1年以上の実務経験を得ている者、②臨床検査技師あるいは衛生検査技師の資格を得たうえで細胞検査士養成所にて規定の教育課程を修了(修了見込みを含む)の者、③以下に挙げる4年制大学にて認定されている細胞検査士養成課程修了者であり大学卒業見込み者または卒業者、及び該当課程修了者で臨床検査技師又は衛生検査技師の資格を取得した者。いずれの場合も所属学部長の発行の細胞検査士養成コース修了の証明書と卒業見込み書を必要とします。
以上の詳細に関して以下を参照して下さい。
大学
細胞検査士になる認定試験の受験資格のひとつとして、細胞検査士認定試験の受験資格に該当する大学は以下になります。
※令和5年時点
- 杏林大学保健学部細胞検査士養成課程
- 北里大学医療衛生学部細胞検査士コース
- 山口大学医学部保健学科細胞検査士養成課程
- 群馬大学医学部保健学科細胞検査士養成コース
- 倉敷芸術科学大学生命科学部生命医科学科
- 玉田学園神戸常盤大学保健科学部医療検査学科細胞検査士養成課程
- 弘前大学医学部保健学科細胞検査士養成課程
- 九州保健福祉大学がん細胞研究所
- 関西医療学園関西医療大学保健医療学部臨床検査学科細胞検査士養成課程
- 学校法人加計学園千葉科学大学危機管理学部保健医療学科
- 学校法人森ノ宮医療学園森ノ宮医療大学保健医療学部臨床検査学科
- 京都橘大学健康科学部臨床検査学科細胞検査士養成課程
- 四日市看護医療大学 看護医療学部 臨床検査学科細胞検査士コース
- 福島県立医科大学保健科学部臨床検査学科 細胞検査士養成コース
細胞検査士養成所(養成機関)
細胞検査士になる認定試験の受験資格のひとつとして、臨床検査技師または衛生検査技師の資格を有し、認定された細胞検査士養成機関の卒業見込み者又は卒業者ですが、これらに該当する細胞検査士養成所(養成機関)は以下になります。※令和5年時点
- 財団法人癌研究会有明病院付設細胞検査士養成所(現、公益財団法人がん研究会)
- 大阪府立成人病センター内細胞検査士養成講習
- 東京都がん検診センター細胞検査士養成所(令和4年3月閉講)
- 杏林大学保健学部細胞検査士養成課程
- 藤田学園衛生技術短期大学細胞診スクリーナー養成所(平成21年10月認可辞退)
- 北里大学医療衛生学部細胞検査士コース
- 山口大学医学部保健学科細胞検査士養成課程
- 群馬大学医学部保健学科細胞検査士養成コース
- 玉田学園神戸常盤大学保健科学部医療検査学科細胞検査士養成課程
- 加計学園細胞病理学研究所(倉敷芸術科学大学内)
- 学校法人冬木学園畿央大学細胞検査士養成課程
- 九州保健福祉大学がん細胞研究所
合格率
1次試験、2次試験からなる細胞検査士になる試験の第1次試験の合格率は46.3%から64.4%であり、第2次試験の合格率は38.6%から69.4%です。試験の難易度としては、偏差値表示で61です。
第1次試験 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2024年 | 677 | 357 | 52.7% |
2023年 | 723 | 401 | 55.5% |
2022年 | 643 | 298 | 46.3% |
2021年 | 629 | 405 | 64.4% |
第2次試験 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2024年 | 496 | 344 | 69.4% |
2023年 | 844 | 326 | 38.6% |
2022年 | 476 | 245 | 51.5% |
2021年 | 559 | 309 | 55.3% |
なお、1次試験に合格しての2次試験に不合格の場合は、申請により翌年の細胞検査士資格認定試験の1次試験が免除されます。
難易度
細胞検査士となる試験の難易度として、偏差値表示で61です。
この難易度は臨床検査技師の試験難易度(偏差値48)より難しくなります。
細胞検査士の求人と年収
細胞検査士は常に100単位の求人があり、首都圏において給料で30万円、年収で400万円が目安になります。
試験の概要
申し込み 試験日程 | 申し込み:8月上旬~8月下旬 第1次試験:10月下旬 第2次試験:12月上旬 |
---|---|
試験地 | 第1次試験:大阪 第2次試験:愛知 ※令和5年の例 |
受験資格 | ・臨床検査技師または衛生検査技師の 資格取得後1年以上の実務経験 ・臨床検査技師または衛生検査技師の 資格取得者で日本臨床細胞学会認定の 養成機関を卒業した者または予定者 ・指定の4年制大学で日本臨床細胞学会が 認定した養成課程を修了した者または 修了予定者 ※詳細は上に記載 |
試験内容 | 第1次試験:筆記、細胞像試験 (カラープリント) 第2次試験:実技(手技なし) ①要求 ・疑陽性および陽性以上の異型細胞を 絶対に見落としなく検出すること。 ・腫瘍細胞以外でも問題となる所見は 見落としなく検出すること。 ・陰性のものを誤って陽性としないこと。 ・時間内に検体を適正にスクリーニング できること。 ②検体の種類 婦人科、呼吸器、消化器、泌尿器、 乳腺、甲状腺、造血器、骨軟部、 中枢神経などに由来する材料、体腔液、 髄液、臓器・組織穿刺材料など。 試験は主として以下の諸項目について、 筆記および細胞像試験と実技試験に 分けて実施する。 ③顕微鏡検査 各種検体の染色標本について行う。 (1)異型細胞の判別 ①スクリーニング、特に少数の 異型細胞の検出 ②同定 (2)異型細胞以外の所見の判別 ①検体に出現し得る細胞の種類と それに関する疾患 ②検体に出現し得るその他のもの (微生物、寄生虫、結晶、異物など) (3)検体の所見から他の必要な検査を 判断すること |
合格基準 | 第1次試験、第2次試験共通 100点満点に換算の70点以上を 原則合格と。 第1次試験合格の追加条件として 各領域ごとに100点満点換算の上、 50点未満の領域がひとつでも ある場合は不合格になる。 |
受験料 | 40,000円 |
免除 | ・一次試験のみ合格した者は 翌年に限り、一次試験が免除。 ・一度細胞検査士資格を喪失した場合、 細胞診専門医の推薦により、 細胞診断業務に復帰できるとその 所属長が判断した時から3年以内に 2回まで、細胞検査士資格認定試験の 1次試験が免除。 |
結果発表 | 試験結果は封書で各自に郵送 |
主催 問合せ | 公益社団法人 日本臨床細胞学会 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台 2-11-1 駿河台サンライズビル3F |
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