いわゆる国家試験は不要で、「技能講習」(吊上荷重1t以上)を選択の場合は3日間を修了して国家資格を得ます。
より簡易な「特別教育」(吊上荷重1t未満)を選択の場合は履修時間は9時間(以上)の修了です。
そしてここで言う特別教育とは「技能者から教えてもらう」というレベルの事です。
仕事は玉掛け作業者とクレーン運転者との連携作業で、玉掛け用具を用いて、荷を安全な状態でつるために行う、荷かけおよび荷外しの作業と、運転者へのナビゲートですので女性にもおすすめできます。
「女性が?」と思われるかもしれませんが、玉掛の動画を見ていただければ、納得できるはずですので参照ください。
国家資格。玉掛作業者になる技能講習と特別教育
玉掛作業者とは。
業務独占資格ですので、資格者以外の作業は禁じられていますが、法的に資格者の監視下で無資格者が補助作業をすることは許されています。
誰もが何度か目にしたことがある、クレーンで吊り下げ移動してきた大物に、何人もの作業員が囲んで誘導している光景、その人達の中にこの資格者がいます。
玉掛作業者は、「玉掛け技能講習」及び「玉掛け特別教育」を修了した技能者です。(労働安全衛生法第61条、第76条の規定により)
「玉掛け技能講習」修了者と「玉掛け特別教育」修了者の2種類のカテゴリ。
・「玉掛け技能講習」を選択の場合は、修了すると吊上荷重1t以上を含めた全て
・「玉掛け特別教育」を選択の場合は、修了すると吊上荷重1t未満
吊上荷重に応じてのクレーン、移動式クレーン、デリックの運転が可能になります。
受講資格
年齢18歳以上
玉掛作業者の年収
玉掛作業者の年収は400万円を超える程度の平均値ですが、もちろん建築会社や経験年数で額は変わります。
見た目には自動車運転免許に近いような免許証があり、その中にたくさん書かれている資格の一つが玉掛作業者です。
以前の自動車運転免許のように、取得した資格にマークが書き込まれるのですが、資格が増えそのマークが増えていくと作業ができる範囲も変わり、年収も変化します。
具体的には玉掛の仕事をマスターした後は、その延長上に揚荷装置およびクレーン、移動式クレーン、デリックの運転があり、資格を取得して仕事幅を広げれば、そこでまた年収も変化します。
玉掛作業者の技能講習終了する合格率・難易度
玉掛作業者の合格率は95%前後で難易度は偏差値表示で35です。
玉掛け技能講習
就業制限に関する法令(労働安全衛生法第61条、施行令第20条)では、制限荷重が1t以上の揚荷装置又はつり上げ荷重が1t以上のクレーン、移動式クレーン若しくはデリックの玉掛けの作業は、玉掛け技能講習を修了した者でなければ、従事してはいけない事が定められております。
玉掛け技能講習とは、「玉掛け技能講習規程」に基づき、各都道府県の登録教習機関で実施され、2日間の学科と1日の実技で構成された合計19時間(以上)の講習となります。
学科、実技ともに修了試験があり、無事修了できれば吊上荷重1t以上を含めた全ての移動式クレーン、クレーンデリック、揚貨装置の玉掛け作業が実施できるようになります。
また、後述する特別教育において、終了済みの科目が免除されるケースもあります。
学科
- クレーン等に関する知識(1時間)
- クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識(3時間)
- クレーン等の玉掛の方法(7時間)
- 関係法令(1時間)
約1時間の修了試験があります。
実技
- クレーン等の玉掛(6時間)
- クレーン等の運転のための合図(1時間)
約1時間の修了試験があります。
玉掛け技能講習の科目免除と費用
細かな免除規定があり、講習時間は規定に沿って少なくなるので、詳細は各都道府県の登録教習機関に問い合わせください。
費用は講習を受ける場所により異なり
例として、一般財団法人 日本産業技能教習協会の場合は
コース | 日程 時間 | 受講料 教材費 円 | 受講資格 |
---|---|---|---|
A | 3日 (16h) | 25,300 1,800 | 1t以上のクレーン等の 玉掛け補助作業経験者 玉掛け補助を6ヶ月以上 |
B | 3日 (15h) | 24,200 1,800 | 玉掛け特別教育修了者 1t未満玉掛け経験 6ヶ月以上 |
C | 3日 (16h) | 23,100 1,800 | 1)クレーン・デリック 移動式クレーン運転士 2)小型移動式 クレーン運転、 床上操作式クレーン 運転技能講習修了者 |
D | 3日 (18h) | 26,400 1,800 | C以外のクレーン等 運転業務経験者 |
E | 3日 (19h) | 28,600 1,800 | 関係業務未経験者 |
玉掛け特別教育
特別教育とは各事業所(指定された企業など)または都道府県労働局長登録教習機関において行われ、規定された履修時間は9時間(以上)となっています。
特別教育を修了することによる、資格の取得は非常に簡易ではあるのですが、吊上荷重1t未満の移動式クレーン、クレーンデリック、揚貨装置の玉掛け作業に限定されるため、その分仕事の需要が小さくなります。
学科
- クレーン等に関する知識(1時間)
- クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識(1時間)
- クレーン等の玉掛の方法(2時間)
- 関係法令(1時間)
実技
- クレーン等の玉掛(3時間)
- クレーン等の運転のための合図(1時間)
費用
講習を受ける場所により異なり18,000円前後が多い
技能講習と特別教育の申し込み
技能講習と特別教育の選択
「特別教育」の場合は吊上荷重1t未満が条件になってしまい、仕事市場がかなり限られます。ここはやはり、吊上荷重に制限が無い「技能講習」の修了をお勧めします。
技能講習と特別教育の問い合わせと申し込み
一般財団法人 日本産業技能教習協会
電話:03-3254-8404
公益社団法人 東京労働基準協会連合会
電話:03-5678-5556
厚生労働省ホームページ
登録教習機関一覧のページ
都道府県別の連絡表が記載しています。
玉掛け作業者必携
玉掛け作業者必携は、中央労働災害防止協会が発行したテキストです。
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