2001年より実施されているコンクリート診断士とは、硬化コンクリートの性質、劣化機構、診断手法、 補修・補強に関する知識や各種対策の効果予測など幅広い知識を持った技術者と認定された者です。
しかしコンクリート診断士は、国交省の定めた「公共工事に関する調査及び設計等の品質確保に資する技術者資格登録規程」に関連してはコンクリート橋の「点検」業務に対する要件しか満たせておらず、現実問題としてこの「品質確保」という理想には程遠い状態です。
なぜかと言えば、寿命を迎えつつある日本のコンクリート構造物の膨大な量とコンクリート診断士の資格者の人数を考えれば当然の結果です。
いずれにしても、日本国内の膨大な量のコンクリート構造物を支えるうえで、コンクリート診断士は非常に重要な資格者です。
試験は年に一回実施され、診断士講習eラーニングの受講が必須となります。
試験の合格率と難易度/偏差値
合格率
コンクリート診断士の試験の合格率は14.8％から16.3％です。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2023年 | 3,412 | 535 | 15.7% |
| 2022年 | 3,474 | 557 | 16.0％ |
| 2021年 | 3,611 | 576 | 16.0％ |
| 2020年 | 2,973 | 484 | 16.3% |
| 2019年 | 4,243 | 663 | 15.6% |
| 2018年 | 4,496 | 665 | 14.8% |
| 2017年 | 4,922 | 738 | 15.0% |
| 2016年 | 5,422 | 804 | 14.8% |
難易度
コンクリート診断士試験の難易度は偏差値表示で63です。
試験概要
| 受験資格 | まずは診断士講習 eラーニングを修了が前提です。 その上で受験資格 下記公式ページを参照ください 毎年ごとに細かな解説があります |
|---|---|
| 試験内容 | 講習eラーニング 基礎編約5時間 応用編約4時間 計9時間 区切っての受講が可能。 試験 ・四肢択一式、記述式：3時間 ・変状の種類と原因 ・劣化の機構 ・調査手法 ・劣化予測、評価および判定基準 ・対策の種類、補修・補強工法 ・建築物および土木構造物の 診断の考え方・調査項目 ・技術および基準・の変遷 |
| 合格基準 | ①四肢択一問題②記述式問題 なお，①②のそれぞれについて， 基準点を超えることが合格の要件。 ※その「基準点」というのが 記載されていない |
| 申し込み 試験日程 試験地 合格発表 登録 | 診断士講習eラーニング 受付:１月～２月頃 実施：４月～５月中旬頃 試験日程 受付:４月～５月中旬頃 筆記試験実施：７月下旬頃 試験地 札幌、仙台、東京、名古屋、 大阪、広島、高松、福岡、沖縄 |
| 受験料 | 受講料：22,000円 願書代：1,000円 受験料：11,000円 |
| 問合せ 申し込み 公式ページ | 公益社団法人 日本コンクリート工学会 〒102-0083 東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビル12F TEL 03-3263-1571 |
コンクリート診断士試験の合格基準について
以前はおおよそ70％以上の正答率で合格とされていましたが、2022年時点はその数字の記述はなく
「①四肢択一問題②記述式問題、なお，①②のそれぞれについて、基準点を超えることが合格の要件。」
公式サイトにて、このようなあまり意味のない説明でした。
以上の事から想定できます事は
①試験は「絶対評価」ではなく「相対評価」。
②受験者集団の上位15～17％程度を合格とする、精鋭集団を作る事が目的と思われる。
2022年時点においては以上の状況ですが、日本国内の膨大な量のコンクリート構造物を支える上で、「劣化」という点で待ったなしの部分があり、コンクリート診断士の需要が高まっていますので、試験の実施方法や合格基準に影響を与える可能性は有りえます。
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