ライフセービング(救命行為)は、救助、蘇生、応急処置、とくに一次救命処置のことであり、救急車が到着し、医師や救急救命士に患者を引き渡すまでの、最も重要である初期救命行為を実行する人がライフセーバーです。
世界を網羅しているライフセーバーの組織として、ILS(International Life Saving federation:国際ライフセービング連盟)の加盟国は正会員・準会員・協力会員含め90カ国以上にのぼります。
日本ライフセービング協会は、そのILSの正会員としてアジア太平洋地区に属しており、各ライフセーバーの資格取得に向けて、以下に述べる講習および、検定試験を主催・実施しています。
その中の主要な資格は、ILS(国際ライフセービング連盟)の資格に準拠しているため、日本の資格者は申請により同等の国際ライセンスを取得する事ができます。
BLS(CPR+AED)コース
BLS(CPR+AED)コースは、AEDの使用を含め、一次救命のための心肺蘇生の基本的な知識と技能を身につけ、突然の意識不明の人に対しての、適切な対応ができるよう養成する講習会です。
講習会の内容は、日本蘇生協議会(Japan Resuscitation Council : JRC)と日本救急医療財団による「JRC蘇生ガイドライン2015」に準拠した「救急蘇生法の指針(市民用)に基づいて、ライフセービング(救命行為)として非常に重要となる、救急救命士や医師へと引き継ぐまでの、短い時間の視点(バイスタンダー)をもっての学科と実技の講習内容です。
事故、自然災害などのアクシデントでの患者に対し、対処法の知識とその実践から、質の高い心肺蘇生とAEDの習得を目指し、「救命の連鎖」が途切れる事のない社会を目指し人材育成します。
BLS(CPR+AED)コース資格体系は、ILS国際資格準拠しており、BLSアシスタントインストラクターを経てBLSインストラクターとしての資格者養成しています。
※用語説明
BLSとは、Basic Life Supportの略称で、心肺停止または呼吸停止に対する一次救命処置のことです。
CPRとは、Cardiopulmonary Resuscitationの略称で心肺蘇生の事です。
AEDとは、Automated External Defibrillatorの略称で「自動体外式除細動器」と呼ばれる「高度管理医療機器」です。
資格体系 | BLS(CPR+AED)コースの 資格体系は: BLS(CPR+AED) (コース内容はここまで) その後は ↓ BLSアシスタントインストラクター ↓ BLSインストラクター |
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講習会名 | BLS(CPR+AED)講習会 |
資格の名称 | BLS(CPR+AED)資格 Automatic External Defibrillation(AED) 国際ライフセービング連盟(ILS)の 資格に準拠 |
受講条件 | 12歳以上(小学生除く) |
講習の内容 | ・学科講習 CPRの重要性とAEDなど ・実技講習 CPR・AEDを用いたBLSの習得 ↓ ・検定試験 講座受講後の筆記試験と実技試験 標準時間7時間 |
講習会費 | 7,500円 教材費を含む |
資格の 有効期限 | 検定試験合格日の翌年度から 2年間 |
ウォーターセーフティコース
ウォーターセーフティコースは、水辺において自己を守る知恵や技能を伝えることを目的としています。
これはいわゆる「危機回避能力」を身につける学習であり、その後の実践的なプログラムとしての展開、運用につながる、水辺におけるライフセービングの最も基礎となる知識と技能を備え、事故防止に積極的に貢献できる者を養成する講習会です
資格体系 | ウォーターセーフティ 資格体系は ウォーターセーフティ (この講習はここまで) その後は ↓ ベーシック・サーフライフセーバー または プールライフガード ↓ ウォーターセーフティ アシスタントインストラクター ↓ ウォーターセーフティ インストラクター |
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講習会名 | ウォーターセーフティ講習会 |
資格の名称 | ウォーターセーフティ資格 |
受講条件 | 12歳以上(小学生除く) 泳力が25メートル泳げる健康な方 (泳法は自由) |
講習の内容 | 学科講習: JLAとJLAウォーターセーフティ について、 水の特性と事故防止について等 実技講習: ・ウォーミングアップ (アクアエクササイズ) ・エントリー& イクジット (入水の方法と水からの上がり方) ・スカーリングと ボディオリエンテーション ・サヴァイバル・ストラテジーズ& テクニック(PFDスキル) ・ライフセービング・スキル等 ↓ ・検定試験 講座受講後の筆記試験と実技試験 標準時間6時間 |
講習会費 | 4,500円 教材費を含む |
資格の 有効期限 | 検定試験合格日の翌年度から5年間 |
サーフライフセービングコース
ライフセービングは「溺れた人を救う」という救助活動と、溺れない環境を作ることが重点課題です。
サーフライフセービングコースは、危険な行動という「人的要因」と現場の自然という「環境要因」を知り、実際の溺水事故例を分析して監視ポイントを学びます。
そして万一の危険な状態の人に対する救助技術と応急手当の実践的技能を習得し、事故を減らすことを目的としています。
ベーシック・サーフライフセービング講習会
海浜での事故防止を目的として、自らの安全を確保し、監視・救助・救護等の安全管理に適切に対応できる基礎的な知識と技能を身につけ、マリンスポーツに携わる人々の模範となる者を養成する講習会。
資格体系 | ベーシック・サーフライフセービング コース 資格体系は: ウォーターセーフティ (要、事前取得) ↓ BLS(CPR+AED) (要、事前取得) ↓ ベーシック・サーフライフセーバー (コース内容はここまで) その後は ↓ アドバンス・サーフライフセーバー ↓ サーフライフセービング アシスタント インストラクター ↓ サーフライフセービング インストラクター |
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講習会名 | ベーシック・ サーフライフセービング講習会 |
資格の名称 | ベーシック・サーフライフセーバー資格 Lifesaver 国際ライフセービング連盟(ILS)の 資格に準拠 |
受講条件 | ・年齢:15歳以上(中学生を除く) ・泳力:50m/40秒以内 400m/9分以内、 潜行/20m以上、立泳/5分以上 ・資格:ウォーターセーフティおよび BLS資格を取得している方 (有効期限内) |
講習の内容 | ・学科講習 ライフセービング概論 ライフセーバーの心がけ 海の知識 サーフパトロール サーフレスキュー 応急手当 溺水者に対するBLS 他 ・実技講習 フィットネストレーニング サーフレスキュー 応急手当 溺水者に対するBLS ↓ ・検定試験 講座受講後の筆記試験と実技試験 標準時間 28時間(4日間) |
講習会費 | 32,000円 教材費を含む |
資格の 有効期限 | 検定試験合格日の翌年度から3年間 |
アドバンス・サーフライフセービング講習会
海浜で監視・救助・救護等の活動を経験した者が、周囲の安全を確保し、事故防止や水難事故に対して適切に対応できる、より専門的で実践的な幅広い知識と技能を身につけた者を養成する講習会。
資格体系 | アドバンス・サーフライフセービング コース 資格体系は: ウォーターセーフティ (要、事前取得) ↓ BLS(CPR+AED) (要、事前取得) ↓ ベーシック・サーフライフセーバー (要、事前取得) ↓ アドバンス・サーフライフセーバー (コース内容はここまで) その後は ↓ サーフライフセービング アシスタント インストラクター ↓ サーフライフセービング インストラクター |
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講習会名 | アドバンス・ サーフライフセービング講習会 |
資格の名称 | アドバンス・サーフライフセーバー資格 Beach Lifegurd 国際ライフセービング連盟(ILS) の資格に準拠 |
受講条件 | ・年齢:16歳以上 ・泳力:50m/35秒以内 800m/14分以内 潜行/25m以上、立泳/10分以上 ・資格: ベーシック・サーフライフセーバー 資格を取得している方(有効期限内) ・経験:ベーシック・サーフライフ セーバー資格取得後、海浜での監視・ 救助・救護等の活動を経験 |
講習の内容 | ・学科講習 ライフセービング概論 ライフセーバーの心がけ サーフ技術とトレーニング理論 海の知識 サーフパトロール サーフレスキュー 応急手当 心肺蘇生 他 ・実技講習 フィットネストレーニング サーフパトロール (シミュレーション含む) サーフレスキュー 応急手当 熟練救助者が実施するBLS ↓ ・検定試験 講座受講後の筆記試験と実技試験 標準時間 28時間(4日間) |
講習会費 | 27,500円 |
資格の 有効期限 | 検定試験合格日の翌年度から3年間 |
プールライフガーディングコース
スイミングプールには、年間を通じた多様な活動も多く、その安全管理として「ライフガード」があります。
プールライフガーディングコースは、上記の「サーフライフセービングコース」同様に、事故を未然に防ぐことを重点課題とした監視体制や方法論、救助法を習得します。
プールライフガーディング講習会
主にスイミングプールでの事故防止を目的とし、自らの安全を確保し、監視・救助・救護等の安全管理に適切に対応できる基礎的な知識と技能を身につけた者を養成する講習会です。
資格体系 | プールライフガーディングコース 資格体系は: ウォーターセーフティ (要、事前取得を推奨) ↓ BLS(CPR+AED) (要、事前取得) ↓ プールライフガード (コース内容はここまで) その後は ↓ アドバンスプールライフガード ↓ プールライフセービング アシスタントインストラクター ↓ プールライフセービング インストラクター |
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講習会名 | プールライフガーディング講習会 |
資格の名称 | プールライフガード資格 |
受講条件 | ・年齢:15歳以上(中学生を除く) ・泳力:クロール又は平泳ぎで100m 泳げること、1.5m潜れること。 ・資格:BLS(一次救命処置)につき 以下のいずれかに該当すること。 1. JLA認定のBLS(CPR+AED) 資格又は日本国内に所在する 他の団体が認定する心肺蘇生法 (AED教育を含まれたもの)資格 を有し、その資格の有効期限が、 受講する講習会の最終日まで 保たれていること。 2.医師、歯科医師、看護師、 救急救命士の資格を有して現職者 ※講習会の申込み時、 保有する BLS 資格の証明書類を確認 |
講習の内容 | ・学科講習 プールライフガーディングとは プールに関する基礎知識 プール事故の原因と事故防止 プールの監視体制 プールライフガードの役割と コミュニケーション 応急手当 ほか ・実技講習 溺者の確保と引き上げ方 救助器材を用いたレスキュー 実技・溺水者に対するBLS (一次救命処置) ↓ ・検定試験 講座受講後の筆記試験と実技試験 標準時間 時間 |
講習会費 | 24,000円 教材費込み ※ベーシックサーフライフセーバー 資格取得済みの場合は19,500円 ※別途プール利用料など 標準時間 14時間(2日間) |
資格の 有効期限 | 検定試験合格日の翌年度から3年間 |
アドバンス・プールライフガーディング講習会
主にスイミングプールでの周囲の安全を確保し、事故防止や水難事故、衛生管理に対して適切に対応できる、より専門的で実践的な知識と技能を身につけた者を養成する講習会。
資格体系 | プールライフガーディングコース 資格体系は: ウォーターセーフティ (要、事前取得) ↓ BLS(CPR+AED) (要、事前取得) ↓ プールライフガード ↓ アドバンスプールライフガード (コース内容はここまで) その後は ↓ プールライフセービング アシスタントインストラクター ↓ プールライフセービング インストラクター |
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講習会名 | アドバンス・プールライフ ガーディング講習会 |
資格の名称 | アドバンス・プールライフガード資格 Pool Lifegurd 国際ライフセービング連盟 (ILS)の資格に準拠 |
受講条件 | ・年齢:18歳以上(高校生を除く) ・泳力:ヘッドアップクロール 50m/50秒以内、400m/8分以内、 潜行/25m以上かつ水中の3つの 物体を回収、立泳/1分以上 ・資格: プールライフガード資格を 取得済み ウォーターセーフティ資格を 取得済み |
講習の内容 | ・学科講習 プールの構造と施設・衛生管理 アドバンス・プールライフガードの 役割とコミュニケーション 緊急時対応計画(EAP) プール事故と法的責任 ほか ・実技講習 アドバンス・プールライフガードに 必要な救助技術 頚椎・頚髄損傷時の疑いのある場合の 対応 PBLS(小児に対するBLS)、熟練 救助者が実施するBLS ほか ↓ ・検定試験 講座受講後の筆記試験と実技試験 標準時間 14時間(2日間) |
講習会費 | 19,500円 ※別途プール利用料など。 標準時間 14時間(2日間) |
資格の 有効期限 | 検定試験合格日の翌年度から3年間 |
主催と申し込み
ライフセーバーとして、以上の各資格を得るための講習会および検定試験は、公益財団法人日本ライフセービング協会が主催・実施しています。
講習会への申し込みはログインまたは新規登録から実行してください。
ライフセーバー資格取得の合格率と難易度
日本ライフセービング協会が主催・実施する、上に記載したライフセーバーになるための各講習は、全くの素人から対応できるよう順に構成されています。
受験者にとって、難易度という点においては、上に記載した「泳力」に重点があり、それをクリアしてる事を前提に、その他の受験資格を満たしている方が、真面目に受講し検定試験に臨む限り90%以上の合格率と言われています。
ライフセーバーの求人と給料・年収
ライフセーバーを主な仕事としている人口が足りないという理由も関連し、ライフセーバーの求人は常にあり、男女の差は無く、女性も歓迎されています。
給料に関し、時給で800円から1500円、ライフセーバーを主な仕事とする人の年収で400万円程度から750万円程度、この給料差に関しては、地域差が大きいと言われています。
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