不動産鑑定士なくなる?いいえ違います。たとえAI導入しても不動産鑑定士は続く根拠と、試験の概要

国家資格

「AIの進化で将来なくなる職業は?」このような話題がメディアで多いのですが、不動産鑑定士をこのAI関連の話題に入れるのは無理です。その根拠を下に記載します。

不動産鑑定士は鑑定士補を含め、全国にわずか約9,500人。平均年収は800万円とも言われますが、普通に営業活動している人という前提でいえば実際の平均年収はもっと上です。

資格者の高齢化もあり営業活動をほぼしていない人も多いからです。

約9500人の資格登録に対し、全国の不動産鑑定業者は約3,300業者、 所属する不動産鑑定士1名の業者が8割以上です。

業務は土地価格の変動など景気不景気の影響をあまり受けません。

仕事の依頼者は公的主体からの依頼が(東京以外)約7割で相続税評価、路線価評価、固定資産税評価、公示価格など。

依頼者が公的主体以外の場合は、大きな不動産の売却案件や、金融機関による不動産抵当ローンなどに対しての不動産鑑定が主です。

不動産鑑定士試験の合格率・難易度・試験日程と勉強時間など

不動産鑑定士試験1st

不動産鑑定士は年収は良いのだけれど、一般に認識されている試験難易度の高さから、候補資格の対象から外してしまう人が多くあります。

そこで試験問題を見てみますと、個別の問題の難易度が高いと言うより、学習範囲が広いと言う方が正解です。

この事から難易度が高いから問題が解けないのではなく、点数が取れないのは、学習範囲が広いがゆえに、そもそもその部分の勉強をしていないとか、勉強は一応したけど足りなかったというケースが多いと言えます。

そして不動産鑑定士試験の内容は、試験範囲の3割から4割弱の内容が、宅地建物取引士の試験範囲と重複しています。その一つ一つの問題の難易度レベルも宅建試験と大差ありません。

合格するための結論は、「モチベーションを維持して全範囲を勉強できますか?」という事です。

不動産鑑定士試験。将来性・難易度・受験資格と免除制度など

資格種類 :国家資格

属性   :業務独占資格 名称独占資格

将来性  :□□□□□□

難易度  :□□□□□□

勉強時間 :3,000時間前後
  
受験資格 :制限無し

年収   :800万円前後

免除制度 :

短答式試験に合格した者は、当該短答式試験の合格発表の日から起算して2年を経過する日までに行われる短答式試験が免除されます。

要申請で論文式試験は司法試験合格者は民法が免除、公認会計士合格者は会計学及と合格した試験で受験した科目が試験科目から免除です。
他詳細は国土交通省に要確認。

試験内容と合格率や参考偏差値、合格の基準とその条件

合格率  :
短答式合格率:近年30~33%

短答式試験に合格後、論文式試験に進む

論文式合格率:近年約14%

参考偏差値:74

合格基準 :
短答式試験の合格基準
総合点で約7割を基準に土地鑑定委員会が相当と認めた得点。
他条件として、総合点以外に各試験科目ごとに一定の得点(最低点)が設定されます。

論文式試験の合格基準
総合点で約6割を基準に土地鑑定委員会が相当と認めた得点。
他条件として、総合点のほかに各試験科目ごとに一定の得点(最低点)が設定されます。

試験形式、時間、配点 :
短答式試験
五肢択一式マークシート方式
不動産に関する行政法規: 午前(120分) / 出題数40問 / 配点100点
不動産の鑑定評価に関する理論:午後(120分) / 出題数40問 / 配点100点

論文式試験
1日目:
民法 : 午前(120分) / 出題数2問 / 配点100点
経済学:午後(120分) / 出題数2問 / 配点100点

【第2日目】会計学 / 午前(120分) / 出題数:2問 / 配点:100点
不動産の鑑定評価に関する理論(論文問題) :午後(120分) / 出題数:2問 / 配点:100点

【第3日目】不動産の鑑定評価に関する理論(論文問題):午前(120分) / 出題数:2問 / 配点:100点
不動産の鑑定評価に関する理論(演習問題):午後(120分) / 出題数:1問 / 配点:100点

不動産鑑定士試験。試験日と申し込み手順

願書申請 :
例年 2月中旬~3月上旬(書面申請)
または電子申請: 例年 2月中旬~3月上旬

試験日と受験地  :
短答式試験は例年5月 北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県

論文式試験は例年 8月上旬(3日間)東京都・大阪府・福岡県

受験料  :
書面申請:13,000円
電子申請:12,800円

試験申込み

試験日より60日以上前の2週間程度
論文式試験申し込みは不要
注意)年毎に日程変更の可能性あり必ず下記で再確認してください。

国土交通省 不動産・建設経済局 地価調査課 鑑定評価指導室

電話 :03ー5253ー8111 内線(30653)

試験合格後の実務研修 :
不動産鑑定士試験の合格者は、不動産鑑定士の登録前の「実務修習」研修の修了を課されます。国土交通大臣による修了の確認後に不動産鑑定士として登録することができます。

不動産鑑定士の将来性、AIの進化で変化はあるのか

不動産鑑定士試験2nd

冒頭に書きましたAIの進化で不動産鑑定士はなくなるか?なのですが

まずは不動産鑑定士を法律面から考えます。

不動産の鑑定評価に関する法律(昭和三十八年法律第百五十二号)鑑定評価書等、第三十九条

1. 不動産鑑定業者は、不動産の鑑定評価の依頼者に、鑑定評価額その他国土交通省令で定める事項を記載した鑑定評価書を交付しなければならない。

2. 鑑定評価書には、その不動産の鑑定評価に関与した不動産鑑定士がその資格を表示して署名押印しなければならない。

3. 不動産鑑定業者は、国土交通省令で定めるところにより、鑑定評価書の写しその他の書類を保存しなければならない。

この法律から、不動産鑑定士は国家資格の中、完全な業務独占資格です。

国家資格は主に安全確保の資格です。数多い国家資格は身体の安全確保のものが多いのですが、たとえば運転免許、危険物の取扱免許などです

この法律の場合は取引の安全確保です。

歴史を見れば不動産に関わる犯罪は過去何件もありました。

この法律文が言いたいことは「不動産鑑定士は鑑定書を提出し法的責任を持ちなさい」「証人になりなさい」「物証(鑑定書)を保存しなさい」という事です。

これをAIに任せるには、この法律文を取り消し、新たなものを国会で決議する必要があります。さて、あなたが住む地域の国会議員はこれに前向きになるでしょうか?

議員の立場から普通に考えればメリットはなくリスクは大です。

不動産鑑定士の法律はさておき、AIが使えない理由

結論を先に書けば、必要条件を満たす、かつ正確なデータベースの作成ができません。
アップデートされた充分なデータベースが無ければ、AIになれないからです。

仮に一つの賃貸マンションのデータベースを作るとします。

これは収益不動産ですから、全ての賃貸契約のデータ、実際の支払い状況、過去を含め空室率の全データ、書き出せばきりが有りません。まだまだ続くのですが、そもそも

・単なる調査で、屋内確認の承諾や家賃収益などの情報を家主から得られるのでしょうか

・そもそもこの調査員は誰なのでしょうか、専門家と同等の能力が必要です。

・調査員はどのような権限でデータを集めれるのでしょうか

・調査データに重過失や虚偽があった場合はどう処理するのでしょうか

・データベースのアップデート調査と再入力は常に必須ですが、可能でしょうか

調査の対象は不動産ですから、本当は物理的な調査項目、周辺地域情報項目も多いのですが、ここではまだ書いていません。

もう一度ですが、さて、あなたが住む地域の国会議員、あるいは政府与党はこれに前向きになるでしょうか?

容易に想像できます将来の結論ですが、
不動産鑑定士の資格は続きます。
そして既存データの処理にAIの活躍はあり、将来も続く不動産鑑定士の仕事の補助になるでしょう。

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