公認心理師とは、国民の心の健康の保持増進を適正に業務遂行できるように2018年から始まった新しい国家資格であり、民間資格にある「臨床心理士」とは別の資格です。
国家試験の合否判定は60%正答率の絶対評価を基本にしていますが、試験難易度の各回バラツキに関連しそこに補正が入ります。
公認心理師の将来性
数多い国家資格の中、新しい資格として現時点は「名称独占資格」というカテゴリに公認心理師は属しますが、今後は関連職場にて配置基準などに規定される可能性が大きいと言われています。
厚生労働省のHPにおいては
公認心理師とは、公認心理師登録簿への登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいいます。
(1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析
(2)心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助
(3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助
(4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供
厚生労働省のHP
現代社会に必要があるから生まれた新しい国家資格です。
上記の中、キーワードは「相談及び助言、指導その他の援助」で、将来的に公認心理師の「業務独占」は無いとしても「必置資格」の可能性はあります。
例えば介護施設などで「必置資格」に指定される可能性も考慮して、公認心理師の受験を目指されても良いと思います。
受験資格
原則、大学(心理系学部・学科卒業)等において、指定カリキュラムを履修する必要があります。
詳細は下記の公式サイト(一般財団法人 日本心理研修センター)を参照ください。
なお2021年時点においての受験資格の数的な実績としては、学歴ではなく下記G区分の経過措置による規定、実務経験による受験者が最多でした。
【G】公認心理師法施行規則附則第6条で定める施設で実務経験が5年以上ある者で、文部科学大臣および厚生労働大臣が指定した講習会の課程を修了した者。(2017年9月15日以後5年間に限る)
ブループリント(公認心理師試験設計表)
ブループリント(公認心理師試験設計表)は、公認心理師試験出題基準の各大項目の出題割合を示したものです。
ブループリントに記載されている内容は、必要な分野を含めた幅広い分野から出題しますが、それ以外は頻度や緊急性の高い分野についても優先的に出題されます。
ブループリントの入手に関しては下記の公式サイト(一般財団法人 日本心理研修センター)の指定ページよりPDFでリンク、アップデートされていますので確認してください。
試験の合格率、合格基準、難易度/偏差値
公認心理師の合格率は46.4%から79.1%です。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2024年 第7回 | 2,089 | 1,592 | 76.2% |
2023年 第6回 | 2,020 | 1,491 | 73.8% |
2022年 第5回 | 33,296 | 16,084 | 48.3% |
2021年 | 21,055 | 12,329 | 58.6% |
2020年 | 13,629 | 7,282 | 53.4% |
2019年 | 16,948 | 7,864 | 46.4% |
2018年 | 36,103 | 28,574 | 79.1% |
合格基準は絶対評価の補正付き
総得点の60%程度以上の絶対評価を原則としていますが、試験問題の難易度差による合格率の大きなばらつきを抑えるために「補正」もあります。
例えば2021年の試験の場合は、230点満点の143点以上を合格とし、それ未満は不合格です。
この2021年のケースの場合は必要な正答率として62.2%になります。
なお配点は、事例問題が3点、一般問題が1点です。
試験の難易度/偏差値
公認心理師試験の難易度は偏差値表示で48です。
試験の概要
申し込み 試験日程 | 申し込み: 2月下旬から3月中旬 試験日:5月中旬 |
---|---|
試験地 | 東京都、大阪府 |
受験資格 | 公式サイトを参照 受験の手引きPDFのリンクあり |
試験内容 | 5肢択一式または4肢択一式 心理師としての知識及び技能150問 ~200問程度 心理学基礎科目: 公認心理師の職責 心理学概論 臨床心理学概論 心理学研究法 心理学統計法 心理学実験 心理学発展科目: ・基礎心理学 知覚・認知心理学 学習・言語心理学 感情・人格心理学 神経・生理心理学 社会・集団・家族心理学 発達心理学 障害者(児)心理学 心理的アセスメント 心理学的支援法 ・実践心理学 健康・医療心理学 福祉心理学 教育・学校心理学 司法・犯罪心理学 産業・組織心理学 ・心理学関連科目 人体の構造と機能及び疾病 精神疾患とその治療 関係行政論 心理実習科目: 心理演習 心理実習(80時間以上) |
合格基準 | 60%程度以上の正答率で合格を基本と するが補正はありえる 実績においては正答率58%から62%程度 |
受験料 | 28,700円 |
合格発表 | 6月上旬 |
公式サイト、申込と問い合わせ
厚生労働省
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2
TEL 03-5253-1111(内線 3112、3113)
一般財団法人 日本心理研修センター
〒112-0006
東京都文京区小日向
4-5-16 ツインヒルズ茗荷谷10階
電話 :03-6912-2655
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