レストランサービス技能検定とは、その合格者をレストランサービス技能士として認定し、飲食サービスに関する資格としては唯一の国家資格です。
レストランサービス技能検定とは、日本の国家検定制度の中の一種で、職業能力開発促進法に基づき、就労に必要とされる技能の習得レベルを評価し、その合格者をレストランサービス技能士として認定します。
レストランサービス技能士になるには、検定試験1級、2級、3級の受験資格と難易度のレベル分けがありますが、受験者の実務経験に応じて受検できます。
検定試験は、職業能力開発促進法第47条第1項による指定試験機関として、厚生労働大臣より指定の、一般社団法人日本ホテル・レストランサービス技能協会(通称HRS)が1年に1回の学科試験と実技試験を担当しており、 実技試験は学科試験合格者のみが受検できます。
受験資格
- 1級:実務経験11年以上、または2級合格後4年以上の実務経験。
- 2級:実務経験3年以上、または3級合格後2年以上の実務経験。
- 3級:実務経験1年以上。
※教育機関で関連する学科を修了している場合は、実務経験の年数は異なる場合が有るので公式サイト等で要確認
合格率
下表に記載の通り、近年のレストランサービス技能検定の合格率は48.4%から59.0%です。
各級別の合格率は、おおよそ1級:35%、2級:40%、3級:60%ほどです。
以下リンクは厚生労働省、レストランサービス技能検定を含む、技能士制度の実施状況です。
学科試験の合格率
学科試験 2023年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
1級 | 196 | 129 | 65.8% |
2級 | 367 | 279 | 76.0% |
3級 | 2,286 | 1,951 | 85.4% |
学科試験 2022年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
1級 | 231 | 91 | 43.75% |
2級 | 380 | 242 | 70.55% |
3級 | 2,950 | 2,133 | 80.98% |
実技試験の合格率
実技試験 2023年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
1級 | 165 | 103 | 64.2% |
2級 | 297 | 146 | 49.2% |
3級 | 1,864 | 1,514 | 81.2% |
実技試験 2022年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
1級 | 149 | 89 | 61.81% |
2級 | 310 | 196 | 67.59% |
3級 | 2,086 | 2,086 | 77.26% |
レストランサービス 技能検定(全級) | 応募者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和5年度 2023年 | 3,267 | 1,766 | 54.1% |
令和4年度 2022年 | 3,766 | 1,824 | 48.4% |
令和3年度 2021年 | 4,701 | 2,466 | 52.5% |
2020年 | 4,380 | 2,569 | 58.6% |
2019年 | 4,479 | 2,629 | 58.7% |
2018年 | 4,549 | 2,685 | 59.0% |
難易度
レストランサービス技能検定の難易度は偏差値表示で1級が55、2級が52、3級が48です。
学科試験の科目
1 食品衛生及び 公衆衛生 | |
食品衛生に関する 一般的な知識 | 食品衛生に関し、 次に掲げる事項について 一般的な知識を有すること。 (1)食品及び調理器具の 取り扱い (2)食中毒 (3)寄生虫 (4)ねずみ、ゴキブリ、はえ等 (5)腐敗及び変敗 (6)洗浄 (7)殺菌及び消毒 |
公衆衛生に関する 一般的な知識 | 公衆衛生に関し、 次に掲げる事項について一般的 な知識を有すること。 (1)個人衛生と公衆衛生 (2)環境衛生 (3)疾病の予防 |
2 料飲一般 | |
食品に関する詳細な知識 | 食品に関し、 次に掲げる事項について 詳細な知識を有すること。 (1)食品の分類別特徴 (2)食品の管理 (3)食品の加工 (4)食品の貯蔵 |
西洋料理に 使用される食材 | 西洋料理に使用される 食材に関し、次に掲げる 事項について詳細な知識を 有すること。 (1)前菜 (2)スープ (3)魚・甲殻・貝類 (4)家畜 (5)家禽(鶏肉) (6)野鳥獣肉 (7)野菜 (8)チーズ (9)デザート |
西洋料理の調理法 | 西洋料理の基本的な料理法に 関し、詳細な知識を 有すること。 |
飲料の種類及び特徴 | 1 西洋料理に供される 次の飲料の種類及び特徴 について詳細な知識を 有すること。 (1)ビール (2)スピリッツ (3)ブランディー (4)ウィスキー (5)ジン (6)ウォッカ (7)ラム (8)テキーラ (9)リキュール (10)ミネラルウォーター 2 西洋料理に供される ワインの種類及び 性質について、 次に掲げる事項に ついて詳細な知識を 有すること。 (1)生ワイン (スティルワイン) (2)発泡性ワイン (スパークリングワイン) (3)酒精強化ワイン (フォーティファイド・ ワイン) (4)混成ワイン (フレーバード・ワイン) 3 次に掲げる各国のワイン の産地、特徴及び 品質について詳細な 知識を有すること。 (1)フランスのワイン (2)ドイツのワイン (3)イタリアのワイン (4)アメリカのワイン (5)オーストラリアのワイン (6)その他 4 ぶどうの品種に関し、 次に掲げる事項について 詳細な知識を 有すること。 (1) 赤ワイン用ぶどうの品種 (2) 白ワイン用ぶどうの品種 |
レストランサービスの 種類・準備及び方法 | 1 レストランサービスの 準備に関し次に掲げる 項目について詳細な 知識を有すること。 (1)テーブルの準備 (2)椅子の配置 2 レストランにおける各種 のサービス方法に関し、 次に掲げる事項について 詳細な知識を 有すること。 (1)フランス式サービス (2)ロシア式サービス (3)イギリス式サービス (4)アメリカ式サービス |
3 レストランサービス | |
レストランサービスに 関する詳細な知識 | レストランサービスに関し 次に掲げる事項について 詳細な知識を有すること。 (1)接客マナー (2)食器の種類及び用途 (3)レストランサービスの 準備及び点検 (4)客席案内 (5)注文の取り方 (6)料理の運搬方法 (7)テーブルサービス (8)食事のマナー (9)客席における調理の 仕上げ (10)メニューの作成 及び管理 (11)料理、食器等の異常 (12)食事の国際慣習 |
4 食文化 | |
食文化に関する 詳細な知識 | 食文化に関し、 次に掲げる事項について 詳細な知識を有すること。 (1)食文化史と現状の 食環境 (2)食の技術 (3)食文化と食事作法 (4)西洋料理の変遷、 特徴及び様式 |
5 施設の管理等 | |
レストランにおける 施設とその取り扱い | 次に掲げる施設設備について 詳細な知識を有すること。 (1)建築設備 (2)防災設備 (3)空気調和設備、 換気設備、ダンパー等 (4)排水設備 (5)化粧室、トイレ (6)電気設備、店内照明 遺失物への対処方法に 関し、一般的な知識を 有すること。 |
6 苦情への対応 | |
苦情への対応に関する 詳細な知識 | 1 次に掲げる レストランサービスにおける 苦情への対応について 詳細な知識を有すること。 (1)食事サービスの遅延 (2)注文と現品の相違 (3)サービス中の粗相 (4)料理への異物の混入 (5)食中毒 2 不良客への対応について 詳細な知識を有すること。 |
7 関係法規 | |
食品衛生法 関係法令のうち レストランサービスに 関する部分 | 食品衛生法関係法令のうち、 レストランサービスに関する 事項について一般的な知識を 有すること。 |
8 安全衛生 | |
安全衛生に関する詳細な 知識 | 1 レストランサービスに伴う 安全衛生に関し、次に掲げる 事項について詳細な知識を 有すること。 (1)調理器具及び機械の 危険性及びこれらの 取扱い方法 (2)安全装置、保護具の使用 及び点検修理 (3)作業開始前の点検 (4)レストランサービス に関し業務上発生する おそれのある災害及び 疾病の原因及び防止策 (5)整理整とん及び 清潔の保持 2 労働安全衛生関係法令 のうち、レストランサービス に関する部分について詳細 な知識を有すること。 |
実技試験の科目
レストランサービス作業 | |
接客マナー テーブルサービス | 正しい接客が出来ること。 1 正しい客席案内ができること。 2 正しく注文が取れること。 3 客席での販売促進できること。 4 英文及び仏文によるメニューが 理解できること。 5 正しくオーダーを通せること。 6 伝票処理ができること。 7 パーティ、テーブル等の種類に 応じた正しいセットができること。 8 料理、飲料の種類に応じた正しい テーブルセットができること。 9 料理、飲料の正しい運搬ができること。 10 料理、飲料の種類に応じた 正しいサービスができること。 11 食器類の後片付けが正しくできること。 12 料理をこぼす等の突発事態に正しく 対処できること。 13 テーブルの後片付けが正しくできること。 14 接遇における英会話及び簡単な 仏会話ができること。 |
ワゴンサービス | 1 客席におけるワゴンによる簡単な 西洋料理の調理及び盛り付けができること。 2 客席におけるワゴンによる飲物の サービスができること。 3 客席におけるワゴンによるサービス、 サラダ等の盛り付けができること。 |
試験の概要
申し込み 試験日程 合格発表 | 学科試験 申し込み:5月ころ 試験日:8月中旬から下旬 ↓ 学科試験の合格発表 9月上旬 ↓ 実技試験 10月から11月ころ ↓ 合格発表 12月ころ ※公式サイトで要確認 |
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試験地 | 学科試験の実施期日及び実施場所は 技能検定詳細のページ 「学科試験受検の手引」 で確認してください。 実技試験の実施期日及び実施場所は 技能検定詳細のページ 「実技試験受検の手引」で確認して ください。 |
受験資格 | 上記 |
試験内容 | 真偽法:マークシート方式による解答 問題数:100題(各1点) 試験時間:2時間 採点方法 減点法:正答数-誤答数=得点 例) 100題中70問を解答し、正答数が65問、 誤答数が5問の場合、得点は60点。 |
合格基準 | 学科試験 100点満点中、60点以上の得点で合格。 実技試験 100点満点中、60点以上の得点で合格。 |
受験料 | 学科試験 ¥6,500(1・2・3級とも) 実技試験 ¥23,500(1級) ¥13,000(2級) ¥10,000(3級) |
免除 | 前年、前々年の学科試験合格者が その年の実技試験の受検を希望する場合 5項(2)提出先まで連絡してください。 当年度学科合格発表日の翌日、 実技試験の案内を送付します。 上記 5項(2)提出先 一般社団法人 日本ホテル・レストランサービス技能協会 〒102-0072 東京都千代田区飯田橋3-3-11 飯田橋ばんらいビル6F HRS事務局 宛 |
注意 | 受検票を参。 鉛筆(B以上)と消しゴムを持参。 (解答用紙がマークシートの為) 受検時の服装は、社会生活に適した 恥ずかしくないものとする。 |
合格発表 | 12月 |
主催 問合せ | 一社団法人 日本ホテル・レストランサービス技能協会 〒102-0072 東京都千代田区飯田橋3-3-11 飯田橋ばんらいビル6F HRS事務局 TEL. 03-5226-6811 |
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